LICENCE 大型一種免許取得記
〜長崎運転免許試験場(平成18年6月12日-13日)
今までトラックと呼ばれるものは「軽トラ」しか運転した事が無かったが、以前より考えていた大型一種を受験
してみる事にした。事務系の仕事をしていて今現在+将来的にも絶対必要とはしないのだが、来年以降の道交法
改正に多少影響を受けたのは間違いない。(+酔った勢いで口走った事も理由のひとつですが・・・)
まず、問題はどのようにして受験するか?
残念ながら壱岐の2箇所の運転免許教習所では大型一種の出張試験は行われていません。
(壱岐等の離島の場合、普通免許等は月に1回大村より試験官が来て仮免・本免試験が行われます)
そこで福岡の自動車学校に確認したところ、20数時間の教習+20数万が必要との事。
仮に土・日に教習を受けたとしても週に3〜4時間、少なくても1ヶ月半から2ヶ月はかかる事になります。
更に場内+路上試験が加わるとなれば更に期間は延びる事でしょう!
そこで選択肢は必然的に県運転免許試験場での一発試験って事になります。
10数年前の自動二輪の限定解除以来の一発試験・・・。まっ、その当時の限定解除の年間合格率が
5〜8%だったので、それよりは簡単!?って前向きに考える事にして自分を納得させた。
【練習】
まずは理解のあるN先輩(FZS乗り)の「うちの会社のトラックで練習していいよ」って有難い御言葉を頂き
練習開始。今まで軽トラしか乗った事がなかった私は、そのあまりの大きさに正直ビビってしまった(T_T)
長い全長や、運転席と助手席の遠い事といったら・・・
ですがとりあえず気を持ち直していざ運転。もちろん右左折時にミラーや後輪を見る余裕などなく、内輪差
は頭では理解しているものの、左折時には歩道に乗り上げる始末・・・
そこでこれはマズいって事でN先輩に相談したら、壱岐のこくぶ教習所には大型車両があり時間乗りさせて
くれるとの事!さっそく出向きとりあえず数時間の練習を行った。
結局ポイントはS字の入り口と、左折時の後輪のライン取り・・・って事を理解し、いざ大村へ出発!!
【試験場到着】
前日の6/11に大村入りし、敵状視察!?。ちなみに受験時(当日朝)の簡単な流れを書いて行きます。
ここが長崎県運転免許試験場で、事務手続は全てここで行います。
各種申請書の購入は朝8:30〜で、試験の受付は9:00〜9:30までです。
(尚、試験コースはすぐ横に隣接しています。このだだっ広いコースが決戦の場です)
まず試験場の建物に入り、突き当たりのB番窓口で「大型一種です」と伝え、申請手数料3300円と車両使用
料1100円の計4400円を支払い運転免許申請書(登録票)・受験票・運転免許申請書・病気の自己申告書
を受け取ります。
次に背面の案内所に向かい免許証を提出すると、係りの人がコピー機で運転免許申請書(登録票)に免許
内容をコピーしてくれます。
その後各種用紙に必要事項を記入し、受験票に写真を貼り付け、案内所横の9番(大型一種)窓口に向か
います。そこで全ての用紙を提出し受理されると、初めての場合A番の部屋で適正試験を受ける事となり
ます。
<適正試験>
通常の機械による視力検査及び、大型自動車は深視力という検査があります。視力検査と同じ機械で
行い左右に固定された2本の縦棒があり、その中央で前後に移動する縦棒を見て、左右と同じ位置で
揃った時にボタンを押すというものです。これを3回行い2cm以内なら合格です。
これで駄目なら、横に剥き出しの機械がありそちらで検査を行うのですが、こちらの方が見やすいです。
ちなみは私の結果は以下の通りで、14mm→11mm→1mmでした。
〜基本的な流れはこの通りで、実技試験に不合格の場合は受験票のみ返されるので、翌日はまたB番
窓口で手数料を支払い、各種用紙を受け取るところからの繰り返しになります。
これで当日朝の事務処理は終わり、大型試験(一種・二種)は2番待合所で待機しておきます。尚、実技試験
は10:00からですが、9:45頃には試験官が来て注意や課題走行の説明があるのでよく聞いておきましょう。
【6/12 第1回目】
・コース Bコース ・課題 方向転換 ・受験番号 2番
朝、受付に適当に並んだら悲しいかな受験番号2番。正直、他の受験者の走りをゆっくり見たかったので
もっと後ろに並べばよかった・・・と、ひどく後悔(T_T)
しかも受験番号1番の兄ちゃんは見事合格!こりゃ〜まずい。ただでさえ緊張してるのに、更に心臓バクバク!
とりあえず前後を確認し、運転席に乗り込みと試験官から「はじめての受験ですね」と言われ、試験の流れや
注意点を教えてもらう。ここで問題発生!なんですか、このサイドブレーキは・・・?小さな10cm程のコケシ
みたいな棒がピョコってあり、単に立てればON、こけしの頭を押し込み前方に倒せば解除との事。先行き不安・・・
さらに私の練習した車両とシフトパターンが違うってのも更に頭を混乱させる一因でした。
え〜い!ままよっ!!って事で、「どうせ1回目の試験だ。どこででも止めやがれ!」って開き直り試験開始。
100mの練習走行が終わり、試験官の「はい、ここから試験開始です」の言葉。まず外周に出てS字をクリヤ、
指定速度の45km/h直線を走り、踏み切り→方向転換→クランクと走る。
「はい、出発点に戻って〜」と言われるかずっと待っていたのだが、試験官は黙々と先のコースを指示するだけ。
次に現れたのは坂道発進、例のコケシ君の登場です(^^;) とりあえずサイドブレーキをかけ、アクセルON、
クラッチを繋ぎ、エンジン音が下がったのを確認し、いざ!・・・サ、・・サイドブレーキの解除方法忘れた(T_T)
爆音をあげるエンジン音と、あわてる私。「え〜と、コケシの頭を押すんだっけ?引くんだっけ?・・・」次の瞬間
コケシ君の頭を押し下げ、パタンと前方に倒れるとともに、トラックは急発進!
「いや〜まさに空母からはじき出される戦闘機?いやいや宇宙に飛び出す20Gのかかるロケット並みですよ!」
と、試験官が思ったかどーかは知りませんが、坂道を鬼のようなスピードで登るトラックが一台いた事は事実です。
たぶん第2待合所の受験番号3番以降の方々は、坂道の頂上から飛び上がる勢いで現れ、徐行の為に急減速
したトラックを見て驚き!そして笑った事でしょう!(試験官様、首はムチ打ちにはなりませんでしたでしょうか?)
ちなみにこの一件で気が紛れたのか、この後はリラックスして指示通りに走ったところ気が付けば出発点まで
帰ってきていました。何と1回目にして完走!!
その後試験官から”ありがた〜い”御言葉を頂きました。結果?もちろん不合格です。
→ 試験官からの一言
・ まず、S字・クランク・方向転換は完璧な為、車両間感覚はOK。
・ 安全確認も言う事なし。
・ よく練習して来ているのがはっきり分かる。
・ 直線はもっとスピードを上げて、キビキビと走る事。
・ 但し、致命的な欠点がある!?「全ての左折時、無意識のうちにコブシひとつ分だけ右(逆)にハンドルを
切る癖がある」。これは大型試験としては致命的・・・
→ 私から一言
・ 坂道発進はあれでも良いのでしょうか?
・ この試験官は物腰が柔らかくて割りと温和に見えるが、厳しいコメントがバンバン出る!
・ まっ、最初は完走出来ただけで良しとしよう。
本日の受験者数29人 (内)合格者3人
【6/13 第2回目】
・コース Bコース ・課題 縦列駐車 ・受験番号 2番
さすがに2回目なので緊張感はない。この日は受験番号4番で、何と1番は若い女性の人!何となくカッコ良く
思えてしまう。とりあえず、2回目なので他の受験者とも話が出来るまでに余裕が出てきた(^^)
ちなみに昨日夜は近くの居酒屋で普通二種を受験中の壱岐(勝本)の方と知り合い、またおかみさんが非常に
楽しいってのも加わり、近年まれな泥酔状態になるまで飲んでしまった。
(まっ、試験官に今更急には修正出来ない癖を指摘された事と、人恋しさで酒が進んだのであろう・・・)
尚、その日はワールドカップのJPN×AUSが放送されていたが、結果を知ったのは明け方3時過ぎだった。
さて試験ですが、1番の女性は試験開始直後のS字にて中止。2番目は私と同じ2回目の方で、彼とはよく試験
やコース、また色んな情報を私に与えてくれた良い青年です!試験も2/3を過ぎたところで残念ながら減点
超過。次の方は既に数回受験し、走りも見ていて問題ない方でしたが試験コースを3/4過ぎたところで減点
超過。
さていよいよ私の順番です。ところで今回は試験前の説明時に受験生に衝撃が走りました!
長崎の試験場では課題は基本的に方向転換なのです。ですので方向転換の練習ばかり事前にします。
ところが忘れた頃、それも数ヶ月に1度だけ縦列駐車となるのです。何とそれが今日なのです!!
さすがに朝一で試験官から発表があった時はザワめきました・・・特に練習していない私は・・・(><)
ちなみにこの間も私を知る他の受験生は「昨日完走なら、今日は合格するんじゃない?」等とのんきな
事を話しかけてきます。完走は完走でも私のはマグレ、しかも致命的な欠点を克服していないのに!
またまた諦めムードで試験開始です。
ところで今日は試験官が前日と変わりました。これが吉と出るか凶と出るか・・・
尚、長期受験者に聞くとこの試験官は非常に厳しく、平気で合格者無し/日をポンポン出すとの事。
どちらにしても私は、縦列駐車が課題に入っている時点で今日の試験は既に「投げて」います。
さて、私の試験開始です!コースは前日と同じ。100mの練習走行が終わりいよいよ審査開始です。
審査開始直後の直線でいきなり「ほらっ、直線はもっとスピード出す(-_-メ)...」すぐに何やらペンが
動き書き込んでいました・・・。
「試験開始50mでもう減点かっ。はいはいそんなにお望みならスピード出して差し上げましょう!!」
私の中で何かが壊れ始めました。この後のS字前の直線や外周で直線と見ればアクセルべた踏み!
途中でまた試験官が「右後輪が中央線踏んだぞっ!!」・・・・もーいや、あ〜早く終わりたい。
なぜか今回も試験中止は言われず、クランクを終えどんどん試験は進んでいき遂に縦列駐車です。
1回の切り替えしは減点無し等と言ってましたが、はなから諦めている私。
駐車場所を確認して進み、適当に停止。バックを始めるも、どこを目標にどうすればいいのかさっぱり
わかりません。何とかハンドルを切って停車したら試験官が「私が降りて見てくる」との事。
ポールの前後を重ね合わせて、助手席に戻った試験官が一言「入ってない!!」。
私の中では入らなかった場合は試験中止と思っていたので、出発して出発点に戻ろうとしていたところ
試験官から鬼の一言「何、どーした?もう一回チャレンジはしない?このまま走ると試験中止だけど?」
この時点で軽くパニくりましたが、すぐに理解出来ました。私の中では切り替えしとはハンドルを戻して
少し前進+最度姿勢を直して行う事だと思っていましたが、どーも試験官の口ぶりだともう一度仕切り
直してチャレンジ出来る事らしいのです。さすがに2回目なので慎重に、また1回目を思い出し、今回は
無事枠内に駐車完了。(相変わらず試験官は降りて確認してましたが・・・)
その後、前日の教訓を生かし、坂道発進は完璧→2日続けて出発点に戻ってきました。
停車後最初に試験官が言ったのは「停車時は左ウインカーだろ!?」。確かにそんな決まりがありまし
たが、散々な試験内容と、数々の注意点の指摘でテンション下がってた私は試験官の有難い注意点
やアドバイスを聞く為ボーっとしながら試験官の顔を見つめていました。
試験官が私に何かを言ってます。・・・「りて」・・・「やくおりて」・・・・・・「早く降りて」・・・???
「車両から早く降りて、助手席側の窓の下に来なさい!」正直意味が分かったのはしばらく経ってから
です。
これにて試験は2日目にして終了と相成りました。正直なぜ合格したかは分かりません。
課題走行はS字・クランク・方向転換は安心していたのですが、まさか縦列があるとは・・・
N先輩からのアドバイスは2個。とにかく直線は飛ばせ!安全確認は大げさに!これだけでした。
とりあえず合格したので良しとしますが、今後将来的にも実際に大型自動車に乗る機会は無い気が・・・
この後、新免許証の1650円の印紙を買い1時間ほどで再交付を受けて終わりです。
本日の受験者数27人 (内)合格者2人 ← 1人は私です(^^;)
【その他】
長崎には離島が多く、また一発試験で受験ともなれば県内唯一の試験場がある大村に泊まりがけで
って事になると思います。
ただ事前にネットで調べたところ、大村には試験場にアクセスの良いホテルがなかなかありません。
そこで諸先輩に教えてもらったとこと、ネットで見つけたとこを紹介します。
両方とも試験場に隣接しており、金額も同じ(何と一泊3800円)。清潔な宿で、良しも悪しも窓を開ける
と試験場のコースが大パノラマで見る事が出来ます(^^;)
違いは・・・洋室か和室か。また全室UB付きか家族風呂の違いだと思われます。
ちなみに私は畳が好きなので和室の”みなと旅館”を利用しました。
尚、周辺にはコンビ二・居酒屋・各種飲食店・クリーニング店等があるので長期滞在でもOKかと。
但し、競艇・パチ屋・また駅や空港までは距離があるので、その辺りはお好みで・・・
五島屋旅館0957-53-5806 みなと旅館0957-53-3710
【後記】
今回、何故か大型一種免許を取得する事になりました。
ちなみに管理人の仕事はバリバリの事務系技術屋で、過去はもちろんの事、未来永劫「大型」車両に
乗る事は全く無いと言いきれます!
では、なぜ?・・・と聞かれますが、実は私自身よくわかりません。「とりあえず持ってて損はないやろ?」
程度の感覚です。(^^;)
私自身まぐれで通ったようなものですので、大した事は言えませんがこれから兆戦される方の為に小さな
アドバイスを・・・
・ とにかくメリハリを!
短くても直線と見るや、アクセルはベタ踏み! 逆にカーブはとにかく徐行!
・ 安全確認は大げさに!
普段からなかなかしませんが、とにかく安全確認は大げさに、また試験試験官に分かるように!
・ コースは必ず暗記!
確かにコース自体は走行中試験官から指示があります。ですが、聞いてから動作をするには時間が
かかり過ぎます。安全確認、巻き込み、方向指示、加(減)速、とにかく忙しいです。コースを暗記して
いれば余裕を持って課題に挑めるので絶対暗記!
って事で、今後受験される方・・・軽トラしか乗った事がない私でも合格出来ましたので、頑張って下さい。
帰りのフェリーより・・・